こんにちは、ラボ長ケンです。
私は中学受験で、開成・筑駒(筑波大学附属駒場)・聖光学院の3校に合格し、筑駒に進学しました。その後、東京大学に進んでいます。
こう書くと「もともと成績トップの子だったんでしょう」と思われるかもしれません。でも実際は違います。サピックスの偏差値は60前後を行ったり来たりで、小6になる直前には55まで下がりました。最後の模試でも63〜64。筑駒に挑戦するなら偏差値65以上は欲しいと言われる中で、「合格確実」どころか「厳しそう」な成績でした。
この記事では、そこからどうやって3校に受かったのかを、受験した本人の目線で、正直に書きます。
この記事の結論
- 偏差値と、志望校の問題との相性は別もの。開成・筑駒は思考力を問う問題が中心で、偏差値63でも過去問はよく解けた
- クラスが落ちて勉強がつまらなくなったら、環境を変えるのも手。小6直前にサピックスからグノーブルに移ったことで、やる気が戻った
- 親の関わり方で、子どものやる気は大きく変わる。助かったのは「仕組みづくり」と「信頼して任せること」。つらかったのは「兄との比較」と「点数だけで判断されること」
私の中学受験の全体像
| 時期 | 塾・クラス | 偏差値(サピックス) |
|---|---|---|
| 小3の2月 | サピックス(都内の校舎)に入塾。最初はDクラス、2か月ほどでα1へ | – |
| 小4 | α1〜α3を行ったり来たり | 60前後(良いとき64、悪いとき57) |
| 小5 | サピックス自由が丘校に移籍。α3〜α5あたり | 良いときで64〜65 |
| 小6の直前 | αより下のクラスまで落ちる。グノーブルに移籍 | 55前後 |
| 小6の最後 | グノーブル | 63〜64(サピックスオープン) |
| 日程 | 学校 | 結果 |
|---|---|---|
| 1月 | 愛光(練習として受験) | 合格 |
| 2月1日 | 開成 | 合格 |
| 2月2日 | 聖光学院 | 合格 |
| 2月3日 | 筑駒 | 合格(進学) |
中学受験を始めたきっかけ
きっかけは、兄が中学受験をしていたことです。兄の姿を見ていたので、「受験はするもの」だと自然に思っていました。
小1〜2年生のころから、母に渡された算数の問題集を解いていました。小学校のテストはだいたい90〜100点だったので、「自分は勉強ができるのかな」と思っていて、勉強は嫌いではありませんでした。
そして小3の2月(新小4)に、サピックスに入塾しました。
小4〜小5:「トップオブトップ」ではなかった
入塾したときはDクラスでしたが、2か月ほどでその校舎のα1まで上がりました。ただ、その後はα1〜α3を行ったり来たり。偏差値は60前後で、良いときは64、悪いときは57〜58でした。
小5でサピックスの自由が丘校に移ると、校舎のレベルが高く、α1にはほとんど届きませんでした。α3〜α5あたりをうろうろしていて、偏差値は良いときで64〜65。同じ「α3」でも、校舎によってレベルが違うということを、このとき実感しました。
小6直前:偏差値55まで落ち、勉強がつまらなくなった
一番つらかったのは、小6になる直前、サピックスをやめる前の時期です。
小6のサピックスは、細かい知識を積み上げて基礎を固めるカリキュラムでした。そのぶん宿題がとても多く、私は毎回こなしきれませんでした。宿題ができていないので、テストでも点が取れない。クラスはどんどん下がり、αより下のクラスまで落ちました。
つらかったのは、偏差値が下がったこと以上に、勉強が面白くなくなったことです。
私が受けたかったのは開成と筑駒です。この2校は、知識をそのまま問う基礎問題はあまり出ません。そのかわり、初めて見る問題をじっくり考えて解く力が問われます。ところが下のクラスでは、とにかく基礎をやるという方針で、思考力を使う発展問題を練習する機会がほとんどありませんでした。
もちろん、知識を固める勉強が合う学校や、合う子もいます。ただ、自分の志望校には直結しないと感じる勉強ばかりが続き、「どうやったら解けるんだろう」と考える楽しさもなくなっていきました。
グノーブルに移って、やる気が戻った
そんなとき、グノーブルに、家族がよく知っている先生がいると分かりました。「心機一転、塾を変えて頑張ってみよう」という話になり、小6になる直前に、グノーブルに移りました。
移ってから半年ほどは、サピックスのテストは受けず、グノーブルのテストだけで勉強していました。そして小6の最後のサピックスオープンでは、偏差値63〜64まで戻りました。
とはいえ、63〜64は開成・筑駒の合格者としては高い数字ではありません。最後まで「必ず受かる」成績ではなく、むしろ厳しそうという評価でした。
偏差値63でも、開成・筑駒の過去問は解けた
一方で、開成オープンや筑駒オープン、そして開成・筑駒の過去問はよく解けました。理由は、どちらも思考力を問う問題が中心で、私の得意なタイプだったからです。
| 開成 | 筑駒 | |
|---|---|---|
| 試験時間 | 国語50分・算数60分・理科40分・社会40分 | 4教科すべて40分(9:00〜12:40) |
| 配点 | 国語85点・算数85点・理科70点・社会70点(計310点) | 4教科すべて100点(計400点)。ほかに報告書(小学校の成績)が100点 |
| 特徴 | 算数と国語の比重が大きい。記述が多い | 理科・社会の比重が算数・国語と同じ。時間がとても短い |
※試験時間・配点は、両校の2026年度の生徒募集要項などをもとにしています。年度によって変わることがあるので、最新の情報は必ず各学校の募集要項で確認してください。筑駒は、出願者が多い場合に1次選考として抽選があり、通学区域の条件もあります。
開成:じっくり考えて、部分点を取りきる
開成の算数は60分あり、1問1問にじっくり時間をかけられます。答えだけでなく考え方も書く形式で、解ききれなくても、途中まで正しく考えていれば部分点がもらえることがあります。東大の文系数学と似たスタイルだと、今になって思います。
私は、分かるところまでしっかり書いて部分点を取ることと、時間をかけて考え、解ききることが得意でした。これが開成の算数にぴったり合っていました。
理科と社会は、開成は意外と基礎的な知識を問う問題が多い学校です。私はもともと理社が好きだったので、満点近くを安定して取れていました。
国語は記述中心です。実は小4〜小5のころ、私は記述がまったく解けず、国語はサピックスの偏差値で40台〜50台前半でした。それが小6の終わりに急に伸びて、60台後半まで上がりました。男の子は、小6くらいで気持ちや感受性が急に育つことがあります。国語が苦手でも、最後に伸びることは十分あるというのは、ぜひ伝えたいことです。
記述では、本文の大事なところに線を引き、矢印で「原因→結果」を結びながら読んでいました。
筑駒:短い時間で、速く正確に
筑駒は4教科すべてが40分・100点です(ほかに報告書が100点)。開成と違って、理科・社会が算数・国語と同じ重さになります。理社が安定して得意だった私には、この配点がとても有利でした。
その代わり、時間が本当に短い。算数も国語も、限られた時間の中で速く、正確に解くことが求められます。ここで生きたのが、それまで難しい問題にじっくり取り組んできた経験です。時間をかけて考える練習を繰り返すうちに、見たことのない問題でも速く解き方を見つけられるようになっていたのだと思います。
社会は、私が受けたときは「正しいものをすべて選びなさい」という形式が多く、消去法が使いにくい問題でした。1つ1つの選択肢が本当に正しいかを、短い時間で判断する必要があります。知識を抜けなく、正確に使えることが大事でした。
この経験から伝えたい勉強法
- 早い時期から、解けそうで解けない難しい問題に粘る経験をしておく
- 5分考えても手がかりが見えなければ、解説を見てもいい。ただ、すぐに答えを見る癖はつけない
- 基礎知識の詰め込みだけになると、1問に20分かけてじっくり考える力が育ちにくい。志望校の問題に合わせて、勉強のバランスを考える
併願:あえて一番難しい並びで受けた
2月は、1日開成・2日聖光・3日筑駒の3校です。ただ、この並びは最初から決まっていたわけではありません。
筑駒は、偏差値が届かなくても絶対にずらさなかった
最初から受けると決めていたのは、筑駒と聖光です。
筑駒は、一般的には偏差値65以上ないと挑戦しにくい学校だと言われます。60代前半の私が受けるのは、正直イレギュラーでした。それでも筑駒はずっと第一志望で、過去問との相性も良かった。「挑戦」の枠ではあるけれど、筑駒だけは絶対にずらさないと決めていました。聖光は、もともと第2志望です。
開成は、先生のひと言で受けることにした
迷っていたのは2月1日です。実は最初は、1日に早稲田中学を受けるつもりでした。偏差値62〜63だったので、どこかに安全な学校を入れておきたかったからです。
ところが塾の先生に相談すると、「その偏差値で開成にチャレンジしないのはもったいない」と言われました。そのひと言で、「じゃあ開成を受けよう」と決めました。
こうして、開成・聖光・筑駒という、一番難しい並びで受けることになりました。1月には、練習として愛光(愛媛県の進学校)を受けています。
結果:4校すべて合格
結果は、4校すべて合格でした。ただ聖光は、基礎力が幅広く問われる試験で、私はあまり得意ではありませんでした。手応えとしては、かなりギリギリだったと思います。
※併願の組み方は、成績や性格によって正解が変わります。私の場合は結果的にうまくいきましたが、真似をするなら、塾の先生とよく相談してください。
本番当日に気をつけたこと
アウェー感は、小さな楽しみで乗り切る
筑駒の試験会場では、周りの受験生がみんな頭が良さそうに見えました。サピックスの東京校や自由が丘校のような大きな校舎からは大人数で受けに来ていて、同じ部屋に友達同士がいたりします。小さな塾から来た私は、アウェー感がすごくありました。
そこで、いつもは買ってもらえない少し高いチョコを持っていき、休み時間に食べて元気を出していました。小さなことですが、気持ちの切り替えには効きました。
緊張より、体調と温度の管理
開成は2月1日で、実質の一発目でした。緊張したのは朝だけで、解き始めて「これは受かりそうだ」と感じてからは落ち着いていました。
むしろ私が一番気にしていたのは、寒さと温度の調整です。外は寒いのに、室内は暑いこともあります。汗をかいたり、喉が渇いたりすると集中が切れます。試験中にトイレに行きたくならないよう、飲み物のとり方にも気をつけていました。脱ぎ着しやすい服装で行くのがおすすめです。
親にしてもらって、本当に助かったこと
ホワイトボードで、漢字と知識を「仕組み化」してくれた
開成や筑駒は知識問題が少ないとはいえ、漢字は出ます。私は漢字が苦手でした。
そこで母が、家のホワイトボードに、漢字の問題集の問題を毎日20〜40問書いておいてくれました。私はやる気が出たときにそこに答えを書き、採点してもらいます。×だったところは空欄に戻して、丸がつくまでもう一度。社会の知識の問題集も、1日に何問やるかを管理してくれました。
「勉強しなさい」と言われるより、やれば終わる仕組みが用意されている方が、ずっと取り組みやすかったです。
グノーブルに移ってからは、信頼して任せてくれた
親は、私がサピックスの宿題に押しつぶされそうになっていた時期を見ていました。だからグノーブルに移ってからは、「宿題をちゃんとやれ」とは言わずにいてくれました。
先生に言われたことを、好きなときに好きなだけやる。そうさせてもらえたことが、小6の伸びにつながったと思っています。
正直、やめてほしかったこと
兄との比較
兄は、私より成績が良かった時期がありました。小5のころ、偏差値64を取って「今回は良かった」と思っていても、「64じゃねえ」という反応をされたことがあります。子どもながらにショックだったのを、今でも覚えています。
点数だけを見て、悪い方に一喜一憂すること
偏差値58は、サピックスの中でも決して低い数字ではありません。ただ、開成や筑駒を目指す立場からすると、物足りなく見えてしまう数字です。でも中身を見ると、単純な計算ミスで5点の問題を2つ落としていただけ、ということがよくありました。その10点があれば偏差値60です。本当に分かっていないのではなく、ケアレスミスだったわけです。
点数だけを見て「全然だめじゃん」と言われるより、中身を見て「これなら上に行けるね」と言ってもらえる方が、ずっと前を向けます。
子ども自身がテストで一喜一憂するのは構いません。でも、親が悪い方に一喜一憂して子どもに当たるのは、やめた方がいいと思います。
まとめ:偏差値が届かなくても、あきらめなくていい
最後にもう一度、この体験記で伝えたいことをまとめます。
- 偏差値と、志望校の問題との相性は別もの。過去問がどれだけ解けるかを見て判断する
- 開成・筑駒を目指すなら、難しい問題にじっくり粘る経験を早めに積んでおく
- クラスが落ちて勉強がつまらなくなったら、塾や勉強のやり方を変えるのも選択肢
- 親は「仕組みづくり」と「信頼して任せること」。比較と、点数だけでの判断は避ける
私は最後まで「合格確実」な成績ではありませんでした。それでも、志望校の問題に合った力をつけたことで、3校に合格できました。今、偏差値が届かずに悩んでいるご家庭の参考になればうれしいです。
開成と筑駒の違いや、両方に受かったときにどちらを選んだかは、別の記事で詳しく書く予定です。
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